管理職サラリーマン。

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【第2回】サラリーマンの法務知識〜契約の種類について〜

IT業界ではどんな契約を使っているのか

IT業界のプロダクトマネージャーとしてよく使う契約は

  • 売買契約(PCの購入など)
  • 請負契約(システム構築の委託など)
  • 準委任契約(コールセンター業務の委託など)

あたりですので、今回はその契約の基本についてご紹介です!

 

準委任契約と似た契約名で、委任契約というのがあるのですが、私のようなIT業界では準委任契約の方を使ってますね。

 

というのも、下記の違いがあります。

  • 委任契約: 法律行為をすることを相手方に委託
  • 準委任契約: 法律行為以外の事務の委託

 

つまり、機器の保守契約をするときやカスタマーサポートを外注するときなどは委任契約ではなく、準委任契約にあたるからだったりします。

 

商習慣的には、請負契約や準委任契約のことを業務委託契約とか言ったりしますし、契約書のタイトルにも業務委託契約と記載したりもしますが、この2つは完全に区別しないといけませんので、注意が必要です。

これは、また別のブログで取り上げます。

 

それでは、そんな契約の種類について今回は取り上げていきます!

 

売買契約とは

売買契約については、コンビニなんかを想像すると分かりやすいですね。

 

例えば、

レジ横に唐揚げやフライドチキンが置いてたりしますよね。

ここで、からあげ棒が100円で売っていたとします。

 

(1)客が「からあげ棒を1つください」と言う

(2)店員が「はい、承知しました。少々お待ちください」と言う

(2)店員がからあげ棒を差し出す

(3)客が電子マネーで100円を支払う

という流れで何気なく購入していると思いますが、まさにここで売買契約を締結しているのです。

 

以前のブログでご紹介した通り、契約には債権と債務が当事者間で発生します。

 

この例でいう債権と債務は下記にあたります。

 

  • 客の債権: (3)のからあげ棒を受取る
  • 客の債務: (4)の代金を支払う
  • 店の債権: (4)の代金を受取る
  • 店の債務: (3)のからあげ棒を受渡す

 

難しい言葉を使うと、「財産権の移転」と「代金の支払い」によって成立するのが売買契約になります。

 

からあげ棒が店から客に移転して、電子マネーの100円(代金)が、客から店に支払われるということです。

 

売買契約はいつ成立しているのか?についてですが、

・客は支払いをする意思を示す

・店員はからあげ棒を渡すことを約束

 

つまり、お互いに口頭で合意をした際に契約が成立します。

したがって、(2)の時点で契約が成立ということになります。

(3)と(4)は、その契約に基づき、当事者間で債務を履行しているといった具合です。

 

ビジネスにおいては、

お互いの債務と債権が果たせられるよりもずっと前に、売買契約が成立することがよくあります。

 

(1)客「PCを10台購入したいです」

(2)メーカー「では、PCは2週間後に郵送するので、翌月末までにこの銀行口座に支払ってください」

(3)客「はい、分かりました」

 

上記(1)〜(3)を口頭でやり取りしても、メールでやり取りしても契約は成立します。

 

コンビニの例と一緒で、契約は口頭でも成立するということです。

これ非常に重要です!!

 

請負契約とは

「仕事の完成」と「報酬の支払い」によって成立します。

 

仕事の完成とは?

物理的に物を完成させる場合でも、役務(物理的なものがないサービスなど)の完成でも何でも大丈夫です。

 

例えば、

ピラミッドを物理的に完成させるというのを委託する場合には請負契約です。

また、悪い人がピラミッドの建設現場を荒らさないように、悪い人から建設現場を守るという警備を委託する場合には建設現場を守りきるという役務の委託ということで請負契約になります。

 

実際の利用ケースでは、このシステムを構築してほしいとか、ソフトウェアを作成してほしいとか、そういったときに利用するのが請負契約です。

 

受注者のリスク回避(先払い、与信管理)

5年後に完成するのだけど、完成時に本当に報酬を支払ってくれるのか不安ですよね?

 

こういった契約期間が長くなる場合の後払いは、受注者(建設する側、警備側)は支払い前に資材を集めたり人を集めたりしないといけないのでキャッシュフローも大変だし、建設した後にやっぱり払えませんとか言われちゃったら大変なことになります。

 

そのため、後払いだけではなく、お互いに合意すれば先払いも可能です。

 

後払いにする場合には、契約期間が長期に渡る場合には、帝国データバンクなどを用いて与信管理を徹底してから、契約締結や支払い方法を決定するのが一般的です。

 

与信管理についてもまた別途ブログでご紹介したいと思います!

発注者のリスク回避(瑕疵担保責任)

 5年後に完成した際に、パッと見は完成したように見えるけど、実は欠陥があったときに何も請求できないと大変なことになりますよね?

 

こういった瑕疵(欠陥など)があったときに、修正義務を課すために、請負契約では必ず「瑕疵担保責任」というのを契約条項に含めます。

 

これにより、修正作業をさせたり、賠償責任を請求したりすることができます。

 

準委任契約とは

「仕事の完成」ではなく、「委託された業務の遂行」と「報酬の支払い」によって成立します。

 

コールセンター業務の委託がそれに該当したりします。

 

9:00-18:00までお客様からの電話を受け付ける業務を委託したとします。

電話がかかってくるかもしれないし、電話がかかってこないかもしれないですよね?

 

こういった類のものは、「仕事の完成」の定義ができてないですよね?

つまり、1日10回電話が来たら、業務終了とかそんな類のものではないので、これを遂行したら仕事が終わるというというのがないですよね?

 

こういったものが「準委任契約」にあたります。

 

発注者のリスク回避(善管注意義務)

契約はしたものの、

”電話を受け付ける業務をするためには、常に人員を配置して受付できる体制は組んでおき問い合わせ業務を遂行”

してくれるか不安ですよね?

 

そのため、準委任契約では「善管注意義務(善良な管理者の注意の義務)」というのが契約条項では必ず定めます。

 

これに違反した場合には、発注者は受注者に対して不履行の請求をすることができます。

 

一方で、請負契約とは異なり、瑕疵担保責任に関する契約条項は含めないので、これを問われることはありません。

 

受注者のリスク回避(先払い、与信管理)

1年間のコールセンターの委託を契約する場合には、後払いにすると1年後に本当に支払ってくれるのかというリスクが存在します。

 

請負契約と同じで、先払いや与信管理による回避が必要です。

私の経験上では、定期支払いをするケースが多いです。

 

1年間の先払いではなく、月額料金にして支払ってもらうパターンです。