プロダクトマネージャーあれこれ

PJMではなくPDMのPMです!

【サルでもわかる】漫画村でも問題になったDNSブロッキング。仕組みと回避策を解説!

2018年に、漫画村(海賊版のマンガ)による著作権侵害が問題になりましたよね。

 

この問題を解決すべく、漫画村のWebサイトを閲覧できないように日本政府が「ブロッキング」を要請。

 

今回は、この「ブロッキング」について説明したいと思います!

 

漫画村の管理者を逮捕できないの?

漫画村が著作権侵害しているなら、そのWebサイトの管理者を逮捕すればよい。

 

こんな簡単なことなんですが、漫画村は何段階にも渡って、管理者を特定できないような手法を使っていました。

本ブログの場合(通常のケース)

はてなブログを利用しています。もちろん、何か犯罪行為があれば、はてなは本ブログを停止するでしょうし、捜査令状があったら、誰がこのブログの管理者かは警察に情報提供します。

漫画村のケース

海外のCDNというサービスを利用したり、ネットワークやサーバも海外の事業者を使ったりしていました。

しかも、それらの事業者は利用者情報を決して明け渡さないような規約の事業者です。

NHKの調査によると、漫画村の管理者を追うと、スウェーデン→ウクライナ→アメリカなど色々な国々に渡って、最終的には漫画村の管理者を突き止めることはできませんでした。

こういう意見も

海外のサーバで運営してるから、そもそも日本国の法律に従う必要はない。

 

特に、管理人は同サイトが合法である根拠として下記を挙げていたようです。

同サイトに日本の著作権法の適用がないことを主張します。

(データを保管するサーバが日本法の適用のない海外にあることが理由)

 

逮捕できないからブロッキングすることに

日本政府としては、漫画村の管理者を逮捕することもできず、結果としては日本の通信事業者(ISP)に対して、「ブロッキング」要請を出したのです。

 

なんともまぁ、自由なインターネット空間に検閲行為をすることを意味しますから、批判されてもしょうがないくらいの解決策だったわけです、ブロッキングというのは。

 

ブロッキング要請に従った事業者

日本政府のブロッキング要請に対して、NTTグループのNTTドコモ、NTTコミュニケーションズ、NTTぷららの3社のみが「ブロッキング」を実施しました。

 

そして、この3社が取ったブロッキング手法は、「DNSブロッキング」という方法でした。 

「DNS」について知りたい方はこちらのブログをお読みくださいね!

 

www.pdm.tokyo

 

通信の流れからDNSブロッキングを完全に理解する

まずは、通常時(DNSブロッキングしない)の通信の流れから

NTTドコモのスマホを例に絵で説明しますね!

さらに、本Webサイトである「プロダクトマネージャーあれこれ」を閲覧する時の通信の流れで説明します。

f:id:pm-pdm:20190120124312p:plain

通常時(DNSブロッキングしない)場合の通信の流れ

 

ドコモDNSは、スマホからwww.pdm.tokyoのIPアドレスを聞かれた場合には、きちんとwww.pdm.tokyoのIPアドレスである「192.168.1.1」をスホマに回答します。

本題のDNSブロッキング時の通信の流れ

こちらの場合も、NTTドコモのスマホを例に絵で説明します。

さらに、本Webサイトである「プロダクトマネージャーあれこれ」がDNSブロッキングされた場合を例にします!

f:id:pm-pdm:20190124083133p:plain

DNSブロッキング時の通信の流れ

 

ドコモDNSは、www.pdm.tokyoのIPアドレスを事前にドコモのWebサーバである「10.0.0.1」に設定されています。

そのため、ドコモDNSはスマホからwww.pdm.tokyoのIPアドレスのIPアドレスを聞かれても、本来の「192.168.1.1」ではなく、「違法コンテンツですよ!と返すためだけのドコモのWebサーバ」のIPアドレス(10.0.0.1)をスマホに回答します。

スマホは、「10.0.0.1」にアクセスすることになるので、本来閲覧したかったWebサイトを閲覧できないという状態になるのです。

DNSブロッキングは意味がなかった

理由1 日本国内の通信事業者に要請

日本政府が海外の通信事業者に何を要請しても、もちろん法律も違うし、従うわけありません。

だから、日本国内の通信事業者に要請するしかないのは分かるのですが、穴がありますよね。

穴1: 漫画村というWebサイトは残り続ける

穴2: 海外で日本語を読める日本人や外国人はアクセスが可能

理由2 日本国内の限定的な3社しか要請に従わなかった

結局は、検閲行為は「通信の秘密」にあたるのでほとんどの通信事業者は要請を受け入れませんでした。

逆にいうと、この3社を利用しているユーザだけ漫画村を閲覧できないという不公平な状態になります。

インターネットは、広く遍く平等に利用できることに価値があります。

 

KDDI(au)やソフトバンクの人たちは閲覧できる状態じゃ全く意味がないですよね。

理由3 NTTドコモなどブロッキングした事業者を使っていても回避策がある

実は、DNSブロッキングをしたNTTの3社を使っていても、漫画村のWebサイトを閲覧することが可能です。

 

どういうことかは次の章で説明しますね!

DNSブロッキングを回避する方法

DNSブロッキングを回避するのは非常に簡単です!

NTTドコモのスマホを例に絵で説明します。

ちなみに、この絵で出てくる「1.1.1.1」はパブリックDNSといって、誰でも無料で利用できるDNSサービスのひとつです。

f:id:pm-pdm:20190125145821p:plain

DNSブロッキングを回避する方法

 

つまり、デフォルトのDNS設定(優先DNSがNTTドコモのDNSに指定)だとDNSブロッキングに引っ掛かりますが、スマホのDNS設定を変更してしまえば、回避できちゃうんです。

 

これで、DNSブロッキングなんてナンセンスだ!っていうのはお分かり頂けたかと思います。

 

さらに、回避するために、DNS設定を変更する必要がありますが、その変更先としては誰でも無料で利用できる「パブリックDNS」の利用が有効です!

「パブリックDNS」については、このブログ記事で説明していますので、ご参考までに。

www.pdm.tokyo

 

有名どころだと、Googleも「パブリックDNS」を提供しています。

 

上図でも出てきた「1.1.1.1」というパブリックDNSは、Cloudflareというアメリカの有名企業が運営しています。

「1.1.1.1」を取り上げたのは、スマホのアプリも提供していて、すごく簡単に”携帯事業者のDNS”から”CloudflareのDNS”に変更できちゃうからです。。

 

実は漫画村もこのCloudflareが提供するCDN(コンテンツデリバリーネットワーク)を利用していたと聞いた覚えがあります。

漫画村が使っていたから怪しいということはなく、CloudflareはIT業界にいる人なら、一度は聞いたことのあるようなくらい有名な企業です。

 

DNSブロッキングされたら、ぜひ利用してみてください!

1.1.1.1

 

情弱しか引っかからないDNSブロッキング

前章でも説明した通り、DNSブロッキングは回避方法もありますし、その回避方法が非常に簡単に誰でもできちゃいます。

 

はっきり言って、情弱しか引っかかりません、DNSブロッキングなんて。

 

わざわざ漫画村のサイトを見るくらいだから、インターネットをある程度使いこなしているのが漫画村のユーザ層と考えられるので、よりナンセンスなんです。

 

困ったら、「ブロッキング 回避」とか「漫画村 見る裏技」とか、ここら辺のユーザ層は調べると思います。 

DNSブロッキングはイタチごっこ

WebサイトのURL(FQDN)なんて簡単に変えられるんです。

 

ブロックされたなぁと思ったら、URLを変更しちゃえばいいんです。

 

逆に、NTTのような大企業は新たなWebサイトをブロッキングするためには、複雑な承認行為がいるはずです。

さらに、通信の秘密に抵触するような行為なので、政府側の承認も必要になるのでは?と考えられます。

 

イタチごっこにはなりますが、明らかに手間暇かかるのは、NTTの3社の方なので結局追いつけないと考えられます。

 

NTTの3社はDNSブロッキングを解除

2018年4月にブロッキングを開始し、2018年8月にブロッキングを解除しました。

 

その理由は、漫画村が閉鎖されたことを理由としています。

 

でも、海賊版サイトはまだまだ多くあるのが現状です。

これによって、少なからず著作権侵害されている状況は変わっていません。

 

インターネットにおける海賊版の問題は非常に難しい問題ですが、DNSブロッキング以外の方法で解決することを願っています。