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【第3回】請負契約と準委任契約の違い

第2回では、IT業界でよく使う契約の種類の説明をしました。

今回は、第2回の中でも混同しがちな請負契約と準委任契約の違いについてご紹介していきます。

1. 請求権

ここでいう請求権とは、お金に関する請求権です。

請負契約の請求権

請負契約は、仕事の完成(成果物の納品)に対して報酬が支払われます。

成果物について、契約時に締結します。そして、締結通りの成果物を納品すると報酬を得られるという形態です。 - 手順書の納品 - ソフトウェアの納品 - 検証結果を記したドキュメントの納品

準委任契約の請求権

準委任契約では、契約時に定めた事務処理が適切に実施されれば対価を請求できます。

  • コールセンター業務
  • 機器の保守業務
  • Webサイトの運営業務

2. 瑕疵担保責任と善管注意義務

請負契約では瑕疵担保責任が定められます。 一方の準委任契約では善管注意義務が定められます。

請負契約の瑕疵担保責任

成果物に瑕疵がある場合には、下記を請求できます。 瑕疵というのは、簡単にいうと不具合(バグ)と捉えてもらって大丈夫です。

実際には、不具合があるからこれらの請求ができるかはケースバイケースではあります。 - 瑕疵修補請求権(不具合の改修をさせる) - 損害賠償請求(不具合により被った損害額を請求する) - 契約の解除

成果物に対する対価を支払う請負契約では、当たり前の条項ですよね。 これがないと、発注者側はリスクを自分たちで保有しないといけないですからね。

準委任契約の善管注意義務

準委任契約では、瑕疵担保責任というのは定めません。

その代わりに、委任された事務作業や業務内容を善良な管理者のもとで、履行しなければいけません。

仮に、契約内容通りに業務遂行していなかった場合には、損害賠償や契約の解除を請求できます。

委任した業務に対して対価が発生する準委任契約では、瑕疵担保責任ではなく、善管注意義務を定めるのは当然といえば当然ですよね。

3. 再委託

請負契約と準委任契約は、報酬の請求権が違いますよね。 このことから、再委託の可否が変わってきます。

請負契約の再委託

請負契約は、仕事を完成させることが目的です。そのため、原則として請負人(受注者)は自由に下請業者を使用できます。もちろん、発注者は再委託がある場合には再委託先を請負人に提示させることもできます。

日本のSI業界では、孫請け以上があったりするのも、これらの請負契約だったりしますよね。

準委任契約の再委託

準委任契約では、業務や事務処理を委任するのが目的です。

そのため、当事者相互の信任関係に基づくものですよね。 当事者間で別段の合意がない限り、原則として業務を第三者に再委託することができません。

とは言いつつも、再委託してるケースも結構あります。 こういった場合には、再委託先を契約内容に記載し、再委託先が変更となれば、その都度報告したりします。

4. 印紙

完成責任のある「請負契約」に該当する場合は、「2号文書」を作成するため印紙が必要です。

印紙については、契約金額によって印紙の金額は変わってきます。 ここでも実は色々な小細工ができたりするのですが、今回はこの点には触れません。

それに対して完成責任のない「準委任契約」に該当する契約書は、「2号文書」を作成する必要もなく、印紙は不要になります。

契約書は、受注者と発注者の双方で保管することになるので、印紙はその双方に貼り付ける必要があります。

5. 指揮命令権

請負契約、および準委任契約ともに、発注者に指揮命令権はありません。

そのため、ここに差異はありません。

指揮命令権があるのは、派遣契約だったりしますので、次回は派遣契約について紹介したいと思います。