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【第4回】派遣契約とは?契約期間、解除、注意点について

人員確保をするためには、正社員採用だけではなく、業務委託として請負契約をしたり準委任契約をしたりとあらゆる手法を使って取り組む必要が出てきます。

前回は業務委託の請負契約と準委任契約について説明しました。 www.pdm.tokyo

今回は、派遣契約について取り上げます!

1. 派遣契約の概要

登場人物は、①派遣スタッフ、②派遣会社、③派遣先の3人です。

これら3人の関係性は以下の通りになります。 f:id:pm-pdm:20191015194926p:plain

つまり、派遣スタッフは派遣会社に雇われ、派遣会社から給与が支払われます。
その給与は、派遣先と派遣会社間で結ばれる派遣契約で発生した派遣料金から支払われることになります。

派遣先として、私も今までに結構単価の高い派遣スタッフを受け入れてきましたが
実際に派遣スタッフの給与をふんわりと聞いた時に、派遣会社はこんなに搾取してるんだと驚いたこともあります。
※搾取という言葉を使いましたが、全派遣スタッフが100%稼働できる訳でもなく、営業やオーバーヘッド費用も派遣料金には含まれるので感覚的には理解の範疇。

派遣契約は、一般的に③派遣先が人手不足になっている際に利用します。 もしくは、正社員がやりたがらないけど、必要な作業や業務をお願いしたい場合ですね。

開発案件だと、請負契約をするケースが多いのですが、例えば事務員やカスタマーサポートの人出不足を補う際に利用したりします。

私がPMとして実際に利用したケース

カスタマーサポートの人が突然辞めてしまった時に派遣を利用しました。

カスタマーサポートの正社員募集をかけてましたが、慎重に選考したいという気持ちもありました。

また、仮に正社員が無事に採用されても、キャッチアップに時間がかかる可能性もあります。そんな時でもサービスが回るように、人的リソースを厚くするために、派遣契約を使いました。

もちろん、業務委託契約(準委任)でもよかったのですが、単価や緊急性から、派遣契約を使いました。

2. 派遣契約の契約書

2.1. 雇用契約書: ①派遣社員と②派遣会社の間で締結

雇用契約書には、労働基準法と労働者派遣法で定められた明示事項が記載されている必要があります。

労働基準法で定められた明示事項
  • 労働契約の期間
  • 就業の場所、従事すべき業務
  • 始業・終業の時刻、所定労働時間を越える労働の有無、休憩時間、休日、休暇、就業時転換
  • 賃金の決定・計算・支払の方法、賃金の締め切り・支払の時期、昇給
  • 退職(解雇の事由を含む)

つまり、正社員を雇う時の雇用契約における労働条件などと同様ですね。

労働者派遣法で定められた明示事項

さらに、派遣法で定められた明示事項を契約書に記載する必要があります。

  • 従事する業務の内容(専門28業務の場合はその業務の条項番号)
  • 従事する事業所の名称と所在地
  • 派遣期間、派遣就業する日、派遣就業の開始/終了時刻、休憩時間
  • 所定の派遣就業時間を超える場合はその延長時間、所定の派遣就業日以外に就業させる場合はその日数
  • 派遣先責任者及び派遣就業中の指揮命令者に関する事項
  • 派遣元責任者に関する事項
  • 苦情処理に関する事項
  • 派遣契約が解除された場合に講ずる措置
  • 安全衛生に関する事項
  • 福祉の増進の為の便宜供与に関する事項
  • 派遣労働者本人の派遣料金又は全派遣労働者の派遣料金平均額

2.2. 基本契約書と派遣契約書: ②派遣会社と③派遣先の間で締結

どんな契約でもそうですが、基本契約書はあってもなくても構いません。

例えば、派遣社員を定期的に取りたいと思うなら、基本事項を基本契約書にまとめた方が、派遣社員毎に締結が必要な派遣契約書を軽くすることができます。

ワンショットだけで、今後は派遣契約するつもりがなければ、派遣契約書だけで大丈夫です。

基本契約書に明記する事項
  • 契約の目的
  • 個別の派遣契約への委任事項と適用範囲
  • 派遣料金の決定・計算・支払に関する事項
  • 派遣就業に伴う必要費の負担(取扱い)に関する事項
  • 派遣会社側の遵守事項、及び努力義務
  • 派遣先企業側の遵守事項、及び努力義務
  • 契約当事者の一方に契約違反(債務不履行)が有った場合の損害賠償責任
  • 派遣元責任者と派遣先責任者に関する事項
  • 派遣労働者の遵守事項
  • 派遣労働者の休暇取得と代替者派遣に関する原則的な取扱い
  • 派遣労働者交代要請に関する原則的な取扱い
  • 基本契約の解除、及び個別の派遣契約の解除に関する事項
  • 基本契約の有効期間、及び契約更新に関する事項
  • その他、契約当事者間における特約事項
個別契約書に明記する事項

記述しないといけないのは、三者間契約なので各々のトラブル時どうするか?という点(責任者の明確化)と、どこでどのくらいの期間どんな仕事を誰の元で働くとどれくらい派遣金額が発生するかという事項ですね。

  • 業務内容
  • 派遣金額
  • 就業場所
  • 所属部署
  • 指揮命令者(現場責任者として係長クラスが多いイメージ)
  • 派遣期間
  • 就業日
  • 安全及び衛生
  • 派遣労働者からの苦情の処理(派遣先と派遣スタッフ間のトラブル時の連絡先を記載します)
  • 労働者派遣契約の解除に当たって講ずる派遣労働者の雇用の安定を図るための処置
  • 派遣元責任者
  • 派遣先責任者(チームの責任者として課長や部長が多いイメージ)
  • 時間外/就業日外の労働
  • 派遣人員(1人とか人数を記述)
  • 派遣労働者の福祉の増進のための便宜の供与
  • 派遣労働者の限定(無期雇用派遣労働者や60歳以上のものに限定しないなど)
  • 派遣先が派遣労働者を雇用する場合の紛争防止処置(派遣会社と派遣先とのトラブル防止のためです。派遣先が派遣スタッフを役務終了後に雇い入れる場合どうするかという内容を記述します)

3. 契約期間は?

よくある契約期間は、3ヶ月や6ヶ月です。

私が実際に利用したこと際には、3ヶ月の契約期間で締結しました。

短すぎても扱いにくいし、長すぎてもリソース供給が余分になる可能性もあるため、3ヶ月という契約期間で締結してました。

4. 解雇にする場合には?

求めていたスキルや作業スピードが、実際と乖離がある場合には、解雇した方がよいかもという判断をする場合があります。

解雇ではありませんが、通常は契約満了の1ヶ月前までに派遣会社に契約終了を派遣先から申出をすることになります。

このようにすることで、解雇ではなく、契約満了という形になります。

もしも、勤怠や態度が原因で解雇したい場合には、速やかに派遣会社に相談しましょう。 派遣会社に相談することで、後任候補を探してしてくれます。

スキル不足の場合の解雇は正直結構難しい印象です。

一方的な解雇となる場合には、派遣スタッフの新たな就業機会の確保や休業手当などが発生します。

間違っても派遣先が、派遣スタッフに「解雇する!」なんて言っちゃダメです。

派遣先と派遣スタッフ間には、雇用関係はありませんし、一方的な契約の破棄は認められていません。

5. 派遣契約の注意点

派遣スタッフを選べない

労働者派遣法によって、特定行為が禁止されています。

そのため、派遣スタッフを面接して選別することはできません。

面接すると、直接雇用と何ら変わらないので、禁止するのは分かるのですが。

当たりハズレがあるのも事実です。

事前に派遣スタッフと面談できるケースがある

派遣先から派遣スタッフを選べないので面談は原則できません。 ただし、派遣スタッフ側は選べるので、事前に職場見学しておきたいという要望があれば、派遣先と派遣スタッフが面談のようなことを実施することは可能です。

こういうやり方もあるので、実際には事前に面談している方もいるのではないでしょうか。

スキルシートなるものは基本的にはもらえる

業務内容に適した派遣スタッフはいるかどうか、名前は伏せられていますが スキルシートを提示してもらえます。

このスキルシートである程度は判別することは可能だったりします。

派遣契約は融通が効かない

業務委託としての請負契約や準委任契約ほど融通が効きません。

理由としては、雇用契約を結んでいるためです。

雇用契約以上のことはやってもらえないですし、人によっては契約書に記載の業務内容しか本当にやってくれない場合もあります。

もちろん、それが契約ではあるのですが、ちょっと違うことをお願いしたくても苦情を入れられる可能性もあります。

このご時世、派遣スタッフが強い

どういうことかというと、フルタイムで募集をかけてもなかなか集まらない傾向があります。

おそらく、派遣スタッフはママさんみたいな人が多いのかなと感じてます。

そのため、時短OKやフレックスタイムなどにしないと、急募しても集まらなかった経験があります。

試用期間がない

試用期間を設けても、問題があるような記述は関連法案ではありませんが、基本は試用期間はありません。

3ヶ月の短期の有期契約に対して、試用期間を設けるのもまともな企業はやらないかなという感覚です。

ただし、労基法上は14日以内に解雇した場合は予告手当を不要としているので、試用期間的に扱っても問題ないのは、最初の2週間となります。