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【第6回】偽装請負と偽装準委任について解説

請負契約と準委任契約については、以前に取り上げました。 www.pdm.tokyo

偽装請負と偽装準委任は、何に偽装しているのかというと派遣契約に偽装しています。 派遣契約についてはこちらで取り上げてます。 www.pdm.tokyo

つまり、本来は労働者をしっかりと保護するための条件を結ぶ派遣契約を結ばないといけない状態にあるにも関わらず、請負契約や準委任契約を締結してしまっている状態を指します。

今回は、そんな偽装請負と偽装準委任について解説していきます!

ちなみに、偽装準委任という言葉は世間一般的にはありませんが、
正直なところ、偽装請負よりも偽装準委任の方がケースとしては多いと感じているため、敢えてこのワードを使って分けて説明します。

1. 指揮命令権について

まずは請負契約と準委任契約における正しい状態です。 下記の図の通り、指揮命令(業務命令)は発注者にはありません。 f:id:pm-pdm:20191023173138p:plain

次に偽装請負と偽装準委任における、指揮命令に関する違法状態です。 下記の図の通り、本来は指揮命令権はないのに、発注者が業務命令を出している状態です。 これが、偽装請負と偽装準委任において、よくある光景です。 f:id:pm-pdm:20191023173156p:plain

2. 偽装請負とは?

偽装請負とは、請負契約(業務委託)を締結しているにも関わらず、派遣契約における派遣スタッフのように扱っている状態を指します。

2.1 なぜ偽造請負がヤバイのか

請負契約は、作業の完成に対して、報酬を支払う。 ただそれだけです。

ただし、作業の完成(成果物)が曖昧になっていて、契約以外のことも指揮命令してしまい、業務させているような現場があります。 指揮命令自体も絶対NGなんですが、請負契約は、準委任契約と異なり、労働時間により何か報酬を払うような設定にしていません。

そのため、青天井に残業させてしまっているような現場が発生しヤバイのです。

もちろん、違法行為です。

3. 偽装準委任とは?

正直、請負契約の場合において、偽装請負にあたるケースは少なくなっていると思います。

それよりもヤバいのが、準委任契約をしているにもかかわらず、派遣契約における派遣スタッフのように扱うケースです。

3.1 なぜ偽装準委任がヤバいか

請負契約の場合には、作業の完成に対して報酬を支払うので、その成果物(作業の完成)をまずは契約時に合意し、締結します。

一方の準委任契約は、サービス提供によって報酬を支払います。 サービス提供とは、労働者の労働時間とイコールになるケースが多く、さらにこのように労働時間に対して支払う派遣契約とも似ていますよね?

つまり、派遣契約と似ている形態は、実は請負ではなく準委任の方なのです。

そうなると、労働者側も、発注側も、コンプライアンスに疎いと、知らず知らずのうちに、偽装準委任をしているケースがありヤバイのです。

また、準委任契約では、サービス内容(業務内容)も割とフワッとした記述になることが多いです。

フワッとしたサービス内容だと、本来は指揮命令権を持たない準委任契約の発注元が色々と指揮する可能性が高まります。

4. なぜ派遣契約ではなく、請負契約や準委任契約を結ぶのか

4.1 業務命令をしたいけど成果物も出してほしい

派遣契約では指揮命令権は、派遣先にあります。 つまり、自社の正社員のように直接指示が可能です。

一方の請負契約では、指揮命令権は発注者にはありません。

これは当たり前で、成果物が明確で、その成果物を納品することに対して、発注者が請負人は請負料金を支払います。

つまり、過程はどうでもよくて、成果物を納期までに仕上げるのが、請負契約なので、発注者はそもそも指揮命令する必要はないんです。

偽装請負の現場では、指揮命令権はないのに、奴隷のごとく業務指示しています。
そして、成果物(作業の完了)まで求める始末です。

4.2 業務命令したいけど労働者の保護(派遣法、労基法に定める)はしたくない

派遣契約の特徴は、労基法に則り、派遣スタッフの労働環境を守り、雇用の安定を守る必要があります。 つまり、労働者を守るための様々な条件があります。 その条件を満たすため、正社員と同様の待遇を派遣スタッフには与える必要があります。

一方の請負契約(準委任契約)は、派遣契約とは異なり、発注元に対して派遣法や労基法で定められているような 細かな労働環境や雇用の責任はありません。

簡単にいうと、奴隷のように扱うことができてしまいます。

5. 偽装請負よりも偽装準委任の方がまだマシ

前提として、どちらも違法行為です。

ただ、どちらが労働者を保護できるかという観点では、まだ偽装準委任の方がマシだと個人的には考えてます。

理由として、準委任契約の場合には労働日数や労働時間を決めておき、それを超過した分は予め取り決めした超過料金を支払うからです。

そのため、準委任契約の発注元は青天井で働かせるとコストが上がります。

労働時間(サービス提供)に対して報酬を払う仕組みの準委任契約では、どこかで歯止めがかかります。