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UUUMのビジネスモデルはもう限界か

UUUMというとYouTubeの一時代を築いた象徴のようなイメージがありますよね。

でも、そんなビジネスモデルにも段々と限界が近づいているなぁと感じているのでその記事です。

1. ビジネスモデルは3本柱

1.1 柱① 所属ユーチューバーのアドセンス収益20%の徴収料(売上の50%以上)

投資家から人気があるのは、サブスクリプションモデルです。

サブスクリプションとは月額課金。

UUUMは、売上の半分以上が所属ユーチューバーからの徴収料で成り立ってます。

その徴収料は、アドセンス収益の20%と言われています。

つまり、月額1000万を稼ぐユーチューバーからは200万円を徴収。月額100万円を稼ぐユーチューバーからは20万円を徴収といった形になります。

その徴収額がUUUMの収益の柱となってます。

1.2 柱② 企業タイアップ案件(売上の20%以上)

企業からUUUMに1000万円で、この商品を紹介してほしいといった際に、UUUMを通して所属ユーチューバーに宣伝動画を作成してもらって広告するモデルです。

企業側としては、宣伝したい商品のターゲット層に人気があるユーチューバーに依頼したい。さらに、再生回数が常に多いユーチューバーに依頼したいという想いがあるはずですね。

ここは、UUUMの抱えるユーチューバーは有名どころが多いので企業側は安心して発注することができますよね。

1.3 柱③イベント・グッズ収益(売上の10%以上)

UUUMが開催するイベントや所属ユーチューバーのグッズ販売などによる収益です。

イベントに行く層やグッズを購入する層は、比較的若い世代が多いと思われるので、若い世代からの収益ですね。

これも、人気ユーチューバーを抱えているうちは収益の柱となります。

2. 3本柱は同じドメインでリスクも同じ

UUUMのビジネスモデルが脆弱な点ですが、3本の事業ドメインが別々に存在しているというよりも、3本柱とも強い結合性のある状況になってしまってます。

理由は、人気ユーチューバーの存在です。

人気ユーチューバーが1人抜けるとどうなるかというと

  • アドセンス収益が減益
  • 辞めた人気ユーチューバーの視聴層をターゲットとする企業からのタイアップ案件が減る
  • 辞めた人気ユーチューバーのグッズ販売できない
  • 辞めた人気ユーチューバー目当てのファンがUUUMイベントに来なくなり、他の所属ユーチューバーを見る機会も減り、イベントによる所属ユーチューバーの横展開が望めなくなる

つまりは、別々の収益モデルにも見える3つの柱は、人気ユーチューバーの脱退においては、全てにおいてマイナスな影響をもたらすということになります。

逆をいうと、人気ユーチューバーをどれくらい抱えられるかというのがビジネスモデルの根幹になっています。

3. UUUMのビジネスモデルの根幹は人気ユーチューバーをどれだけ抱えられるかという点のみ

人気ユーチューバーだから、アドセンス 収益も多く、UUUMはその20%を徴収料として収益を上げる。

人気ユーチューバーがいるから、企業はUUUMに宣伝を依頼して、UUUMは企業タイアップ案件の収益を上げる。

人気ユーチューバーだから、イベント開催して、人が多く集められるし、グッズも売れる。

当たり前ですが、人気ユーチューバーを抱えるからこそのUUUMのビジネスモデルが成立するんですね。

4. 大手ユーチューバーの離脱により崩壊しつつある

アドセンス収益20%の徴収料が売上の半分以上を占めている状態においては、大手ユーチューバーの離脱は非常に危惧される状況となります。

投資家からしても、サブスクリプションモデルのように、安定収益として見えていたアドセンス収益が安定収益ではないということが判断されてしまいます。

投資家は安定的に収益が上がっていくサブスクリプションモデルが好きですからね。

4.1 Googleの規定が変わり収益率が変わる

子供向け動画には、広告配信しないという改定も行われましたよね。

これは、アメリカの保護法であるCOPPAに違反したとして、YouTubeが1億7000万ドルの罰金を科されたことから始まっているようです。

Googleという会社1つの判断で何でも市況が変わってしまうというのは非常にリスクがあることが分かりますね。

これは氷山の一角であり、Googleによって、全YouTube動画を対象に、そもそもの収益ベースラインを減らされる可能性もあります。

とにかくGoogle様1社の動向で大きく変わらざるを得ないビジネスは怖いですよね。

4.2 大手ユーチューバーを引き留めるほどのインセンティブがない

UUUM所属のユーチューバーが稼いだ収益の20%がUUUMに徴収されます。

その対価として、事務処理・経理処理・案件の紹介・各種ツール・その他もろもろがUUUMから所属ユーチューバーに提供されます。

この20%をUUUMに支払う価値が本当にあるのか疑問に思いますよね。

現在辞めていっている大手ユーチューバーは、金銭的デメリットが大きいと判断してると推測されます。

例えば、毎月1000万円を稼ぐユーチューバーの場合には、毎月200万円も徴収されるということになります。

例えば、営業兼マネージャー1人50万円、経理1人50万円で雇えば、月に100万円の出費で済みますよね。 つまり、月に100万円浮くことになります。

もしくは、自分も少しは楽したいなと思えば、動画編集を外注して、営業兼マネージャー1人50万円、経理1人50万円、動画編集を業務委託で50万円、合計で月に150万円の出費で済みます。 この場合でも、月に50万円は浮くことになります。

経理についても、毎月雇わなくてもfreeeなどの会計サービスを使って、申告時には税理士に依頼すればもっと安く済みます。

動画編集もYouTubeの裾野が広がっていることもあり、個人事業主やクラウドソーシングで簡単に依頼できる状態も整ってきていることも挙げられます。

とにかく、収益の20%をUUUMに支払うよりも、全部自分でやった方が良いという判断をしてることが想像できます。

4.3 インセンティブが用意できない限り、今後も大手や中堅ユーチューバーは辞めていく

まず始めに言っておきたいのは、底辺〜中堅手前のユーチューバーにとっては、UUUMの専属契約は魅力的だと思われます。

理由は収益が生活できるレベルではない層にとっての20%はそんなに大きい額ではないからです。

また、そもそも社会に出たことない人も若手ユーチューバーでは多いと思うので、コンプラなど各種研修で社会との繋がりを意識させたり、持続的にYouTubeで飯を食っていくための情報などは、UUUMに所属している方が間違いなく所属していないよりは得られる量が多いからです。

UUUMに所属しているからこそ、どこかで人の目に触れ、動画が見られる機会が増えるかもしれません。

UUUMの中でも色々な人(レベル違いのユーチューバーではなく同レベルの)と触れ合い、今後のなめのコネクションを作れる可能性もあります。

そして、1年を通してこういう流れ(日々ちゃんと領収書を残す、年度末はこういう手続きが必要)でYouTube業務を行えばいいんだという年間スケジュールも染みつくはずです。

運良く企業からの案件が舞い込んでくると、自分の単価や案件の進め方も分かり、独り立ちした時に企業案件をスムーズに進められるかもしれませんね。

それでも、長くて2年も経過すれば、UUUMでなくても、自分でもできると思うユーチューバーが増えるので、UUUM側は育成と考えていても、ユーチューバー側は単なるステップアップと考えて専属契約結んでいる可能性も多いにあります。

でも、UUUMが対策を立てないといけないのは、もうUUUMにいるメリットがないと感じている大手ユーチューバーたちをどう繋ぎ止めるかという難問です。

人気ユーチューバー1人の離脱は、一般企業でいうと、

  • 広報担当者の離脱
  • 人気製品を開発する担当者の離脱
  • エース級の営業担当者

が同時に発生してるのと同じインパクトがありますからね。

めちゃくちゃ痛いです。

効果的なインセンティブで繋ぎ止める必要があります。

5. インセンティブはやっぱりは金

どんなインセンティブで引き留めればいいかですが、まぁ金しかないですよね。

初期のユーチューバー(収益化されないけど動画を上げていた世代)は違いますが、現在動画を上げているほとんどのユーチューバーは儲かるからYouTubeしているんだと推測されます。

こういう層には、金というインセンティブしかありません。

また人気ユーチューバーとコラボできます!とかは、底辺ユーチューバーにしか通用しないインセンティブで、すでに人気者になった人にはインセン効果はないと思います。

でも、金銭的インセンティブを与えるために、徴収料をアドセンス収益の20%から10%に下げますとかにしても、その減少分だけUUUMの収益も下がってしまいます。

また、アドセンス収益の20%が200万円を超える場合には、それ以上は徴収せず、一律200万円になります!にしても、UUUMとしてはアドセンス収益が月1000万円を超えるユーチューバーを抱えても収益上げづらくなりますよね。

これは難しい問題です。

ビジネスモデルのコアな部分の課題です。

6. とは言いつつも、鎌田社長の次の戦略には注目!

このような難しい状況の中で、UUUMの鎌田社長が以下のようなツイートをしました!

twitter.com

この施策が、株主向けなのか、所属ユーチューバー向けなのか、所属ユーチューバーのファン向けなのか分かりませんが、期待したいですね。

(さいごに)ユーチューバーが人を雇う難しさを痛感し原点回帰する可能性も

事務処理、経理、動画編集を業務委託で雇うならまだ良いのですが、人を雇うとなるとユーチューバー側もそれ相応の覚悟が必要となります。

従業員の生活やその後の人生にも大きく影響してきます。

自分の動画収益が少なくなると雇うのも厳しくなり、解雇しなくてはいけなくなる時が来るかもしれません。

従業員から様々な不満が出て、給料アップしたり、休暇を多く与えたり、労働環境を整えるために多く投資した結果、それだったらUUUMと専属契約していた方がよかったかもとなるかもしれません。

人気ユーチューバー同士で、動画編集や事務処理する人の取り合いになるかもしれません。 あっちのユーチューバーの方が給料高いんで辞めますとかなるかもしれません。

かつて、UUUMに自分が思っていた不満や実際にしたこと(辞めたこと)が自分に返ってくる可能性があります。

人を管理監督する、そして満足して働いてもらう、なるべく長く働いてもらう(繋ぎ止める)という難しさは、一般企業の管理職レベルの方はわかってもらえるかと思います。

出口戦略をちゃんと持ってないユーチューバーは結局UUUMに戻るかもしれないですね。

一度解除した専属契約は再契約できず、UUUMには2度と戻れないかもしれませんが。

以上です。